日本プロ野球界やメジャーリーグの球団における名物オーナー情報

日本のプロ野球界の歴史の中で名物オーナーというと真っ先に挙げられるのが読売巨人軍の渡辺恒雄氏です。ナベツネという愛称で知られる渡辺氏は、読売新聞社入社後に同社の重役にまで上り詰め、1990年頃から球団経営に関わるようになりました。1996年に巨人軍オーナーに就任するとメディアの前で歯に衣着せぬ発言を繰り返し、彼の口から発せられる言葉はその都度大きなニュースになってきた事で知られます。

続いて、渡辺氏ほど個性が強い人物ではないものの結果に対する厳しい発言で話題になってきたのが西武ライオンズの堤義明氏です。実業家として巨大な西武グループを一代で築き上げてきた彼は1978年にプロ野球チームを買収して所沢本拠地の西武ライオンズのオーナーとなりました。そして、球団に対して様々なバックアップを行って球団はあっという間に常勝チームとなって優勝を義務付けられているような状態になっていったところがあります。そんな中、1989年に僅差でシーズン終盤まで優勝争いがもつれ込んだ中、優勝を逃した上にリーグ3位に沈むという年がありました。シーズンオフの森監督と堤オーナーの会談は公開され、その中での森監督に対する厳しい発言は大きなニュースとなり、その後も様々なメディアで流され続けています。

一方、MLBの世界にも日本同様に名物オーナーは存在します。例えば、1970年代後半にパドレスのオーナーを務めていたレイ・クロック氏は世界的ファストフードチェーン・マクドナルドの創業者です。そして、1970年代前半に低迷を続けていた球団を見事な手腕で中堅クラスの球団にまで育て上げました。クロック氏によって救われたパドレスはその後1984年にナショナルリーグ西地区で1位になり、プレーオフ進出を果たしています。

また、MLBの世界ではビジネスで成功した人がオーナーになるケースが大半ながら名選手の中で近年オーナーになった例として知られるのがノーラン・ライアン氏です。1993年に現役を引退したライアン氏は2010年にレンジャーズの共同オーナーに就任し、始球式に登場するなど様々な動向がニュースになってきました。

 

過酷と言われるメジャーリーグの試合数、移動距離と時差の関係

メジャーリーグの全試合数は162試合となっています。このうち、同リーグ同地区で76試合、同リーグ他地区と66試合戦います。

残りのインターリーグが20試合です。いろいろなチームと何度も対戦する事になり、移動距離も想像以上になります。

日本の場合、対戦チームの本拠地間が一番離れているのは福岡と札幌間で直線距離で1424kmです。

ではアメリカではどうでしょうか?例えばエンゼルスとレッドソックスの場合は4320km離れており、福岡札幌間のほぼ3倍の距離となります。距離だけ考えると圧倒的に日本が楽ですが、メジャーリーグの場合は移動にチャーター機を使用し、空港からも専用バスで移動します。一般の乗客と一緒になったり、乗り換えとか無しなので精神的にはとても楽だそうです。

ところがこれに時差が加わると話は違ってきます。

東海岸と西海岸までの飛行距離はおよそ6時間です。これにプラス東と西の時差は3時間ありますので、東から西なら0時に乗り込んで3時に到着という事になり楽ですが、これが逆の西から東だと0時に乗り込んで到着は9時となります。
実際の距離だけでなく、この時差の影響、そしてどちらから移動するかでこれだけの差が生じるわけです。

つまり本拠地がある場所と、対戦する相手チームの本拠地との距離と時差の関係、また試合終了時間と次の試合開始時との関係、同一リーグに所属する他球団の地区内での距離的まとまり具合の違い等、複雑な要素が絡んでくるわけです。

メジャーリーグに慣れたベテランならまだ大丈夫でしょうが、新たに日本からメジャーリーガーになった選手にとって慣れるまで本当に大変であり過酷といえるでしょう。